猫にドライフードを与えるメリットとデメリット
1.ドライフードとウェットフードの違いとは
キャットフードは、主にドライタイプ(通称「カリカリ」)とウェットタイプの2種類に分けられます。
簡単に違いを説明すると、ドライタイプは粒状で袋詰めになっており、ウェットタイプはペースト状で缶詰やパウチになっているフードを指します。
フードのタイプによって様々な違いがありますが、今回はドライフードのメリットやデメリット、選ぶ時のポイントなどをご紹介します。
2.猫にドライフードを与えるメリット
ドライフードは水分を含んでいないフードなので、ウェットフードと比べると保存しやすく日持ちするのが特徴です。
袋を開けてしまった後でもフードキーパーなどの保存箱に入れておけば、湿気る事もなく長期間衛生的に管理することが可能です。
また、猫にとってのメリットとしては、ドライフードは歯に詰まらない・口の中に残らない事から、口臭や歯肉炎、虫歯などになりにくいフードでもあります。
ウェットフードに比べて、毛玉ケアや尿路の健康維持に配慮した成分が配合されている商品が多いのも魅力です。
猫を飼っていると一度は毛玉を嘔吐している姿を見たことがあると思いますが、食物繊維などの毛玉ケア成分が配合されたドライフードは、猫の嘔吐を軽減してくれる効果があります。
猫は匂いに敏感なので、ウェットフードだと好き嫌いが激しくなってしまうこともありますが、ドライフードは比較的匂いが弱く、抵抗なく食べてくれることが多いのも飼い主にとってはありがたいメリットではないでしょうか。
3.猫にドライフードを与えるデメリット
3-1.子猫や老猫は食べにくい
ドライフードはウェットフードにくらべると固く、人の指の力程度では潰すことも難しいものがほとんどです。
このため、まだ乳離れしたばかりの子猫や老齢の猫の場合は噛む力が弱く、ドライフードをうまく食べられないというデメリットがあります。
特に老齢の猫の場合は嚥下力も弱まっているため、誤嚥で気管に入ってしまった場合に深刻な事態に陥ってしまう可能性もあるのです。
3-2.尿路結石の危険性
尿路ケア成分が配合されているとはいえ、ドライフードはウェットフードと比べると水分量が著しく少ないため、充分な水を一緒に与えないまま長く食べさせていると、尿路結石を発症してしまうこともあります。
ドライフードを与えるときは、猫の状態を良く観察しながら水をたっぷり添えるようにしましょう。
4.どんなフードを与えるのが良いのか?
4-1.パッケージ記載通りに
ドライフードを買うときは、パッケージに記載されている効果をよく読みましょう。
多くのドライフードは、子猫用・成猫用・老猫用・去勢した猫用・室内飼い猫用など、年齢や状態で分類された商品で販売されています。
年齢の分類は、カロリーの差がほとんどなので余り細かく気にしなくても良いですが、子猫用のフードを成猫が食べ過ぎると肥満の原因となるので注意しましょう。
4-2.毛玉ケアと尿路ケアの商品
ドライフードの中でもお勧めしたいのは、前述した毛玉ケアと尿路ケアの商品です。
特に尿路ケアについては、猫は全体的に腎臓疾患にかかりやすい動物で年齢を重ねるにつれてそのリスクは高くなるため必須と言っても良いかも知れません。
尿路ケアに良い成分は、クエン酸とビタミンCです。
利尿作用があるため、猫の腎臓の働きをスムーズにする効果があります。
他にも、結石の原因となるマグネシウムを溶かす役割を持つメチオニンが豊富に含まれたドライフードもお勧めです。
4-3.マグネシウムやリンが多い商品は気を付けて!
ミネラル、特にマグネシウムやリンが他の商品に比べて多く含まれているドライフードは避けた方が良いでしょう。
人間と同様猫にとってミネラルは必須の栄養素ですが、摂取しすぎる事で腎臓疾患に繋がるため、含有量には注意が必要です。
5.終わりに
ドライフードを与えるメリットとデメリットについて、飼い主と猫の両方の目から見たポイントを挙げてみました。
猫によっての好みや体質などもありますので一概には言えませんが、一般的には「ドライフードは歯が丈夫な猫であればあげても問題はない」と言えると思います。
飼い主のためにも猫のためにも、日頃の食事を気遣う事で長く健康な生活を維持していける事が幸せですね。
是非、フード選びの参考にしてみてください。