中国産キャットフード
有名な事件なので覚えている人も多いと思いますが、2007年にアメリカで、中国産のキャットフードを食べた犬や猫が3000匹も亡くなるという痛ましい事件が起きました。
また最近では、2013年に中国産のジャーキーを食べた犬や猫が病気にかかったり死亡したりしています。
いったい何故、中国産のキャットフードでそのような事が起きたのでしょうか?現在の中国産のキャットフード事情は?今は安全なのか?
さまざまな視点から、中国産キャットフードについてご紹介したいと思います。
1.品質
1-1.中国にはペットフードの安全基準がない
中国には今でも、ペットフードの安全基準やペットフードに関わる協定事項はありません。
このため、メーカーはそれぞれ独自のレシピで好きなようにフードを生産し、結果、「何が入っているか分からないが安いフード」が輸出されて市場に出回っているのです。
安全基準がないということは、原材料・添加物・保存料に関しても一切の考慮がなされていないということ。
たとえば、キャットフードの主原料となる「肉類」ですが、4D(Dead、Diseased、Dying、Disabled)と呼ばれる廃棄対象のランクのものを使っていると言われています。
1-2.中国ではペットフードは「食べ物」ではない
中国の富裕層は、キャットフードを飼うときに日本製かヨーロッパ製のものを買うそうです。
理由は、「中国内のキャットフードメーカーは『食べ物』を作っている認識がないから」。
中国の人びとにとって、「食べ物」とは人間のためのものであり、犬や猫をはじめとするペットが口にするものは「食べ物ではない」という認識なのです。
このため、前述の通り安全基準や協定も存在せず、衛生面でも配慮がない環境で生産されている事が多いとか。
人間の口に入らないから、という理由であっても、私たちにとってペットは大事な家族です。
少しでも安全なフードを与えたいですね。
1-3.原材料の品質を添加物で誤魔化す?
安全基準の項でも書いた通り、中国産のキャットフードは原材料の品質に無頓着です。
肉類などは腐敗しかけていたり、死体を処理せずそのまま加工したりすることも。
こうした扱いでは加工前の「臭い」は避けられませんので、香料を増やす事で臭いを誤魔化したり、保存料を多く添加することで賞味期限を延ばしたりしているそうです。
しかも、添加物についても基準が一切ないため、有害・有毒な物質が含まれていることも。
2007年と2013年の痛ましい事件は、これらの添加物が原因で起きたとも言われています。
2.「国産」表記に騙されないで
中国産キャットフードの問題点をご紹介しました。
「それなら、国産のフードを買えば良いのでは?」と思う方もいるかも知れませんね。
ところが、産地が「日本」でも実際の加工は中国で行われているフードも存在するのです。
日本の法律の産地表記は、「最終的に加工を行った場所」を書くようになっています。
つまり、フードの加工を中国で行い、袋詰めを日本で行った場合は産地が「日本」と記載されてしまうのです。
キャットフードを選ぶ時は、各フードの公式サイトなどをよく読み、原料原産地や加工している工場の所在地をしっかり把握するようにしましょう。
中国はキャットフードに対する認識がまだまだ低いので今は安全なフード生産国とは言えませんが、今後ペット文化が広まるにつれて品質の高いフードが提供されることも期待できます。
いつか、中国産のキャットフードも選択肢に入れる事が出来る日が来ると良いなと思います。