どの原産国のキャットフードがよいか
近年では輸入のキャットフードも大変品揃えが豊富で、ペット用品店で「どの国のキャットフードが良いのか」と悩んでしまうこともありますね。
キャットフードは、原産国により品質や安全性に大きな差があり、安全性が低いキャットフードを与え続けると猫の健康に異変が起きてしまうこともあります。
どの原産国のキャットフードが安心して与えられるのでしょうか?
今回は、主要な原産国ごとのキャットフードの特徴と、どの国のキャットフードが最も安全なのかをご紹介していきたいと思います。
1.国産キャットフード
人間の食べ物や工業製品などでは国産のものが世界中で高い評価を受けていますが、キャットフードに限ってはまだまだ安全や品質の基準が追いついていないというのが現状です。
アメリカやヨーロッパが、キャットフードの安全性に関するガイドラインを法律でも適用しているのに対し、日本では基準の策定自体が遅かったことと、基準を満たしていないキャットフードを流通させても罰則がないというのが理由です。
このため、国産キャットフードの原材料を見てみると、驚くほどの種類・量の添加物や人工保存料、酸化防止剤、香料、着色料などが使われていることが分かります。
国産キャットフードは安価で大量に買えるため、特に多頭飼いしている家庭では選ばれることが多いですが、現時点では決して猫の健康に良いものだとは言い切れないのです。
それでも最近では、国産のプレミアムキャットフードも少しずつ販売されるようになってきているので、今後はキャットフード業界でさまざまな基準がきちんと策定され、猫の健康に配慮したキャットフードが増えてくれることを期待しましょう。
2.アメリカ産キャットフード
アメリカでは、連邦政府と各州でペットフードに関する法律を定めており、これとは別に「アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)」が、ペットフードの安全基準をガイドラインとして策定しています。
法律が政府と州での二重管理となっている事や、罰則が軽いこと、ガイドラインがあくまで「推奨」でしかないことなど懸念はありますが、日本で販売されているアメリカ産キャットフードの多くは、添加物や人工保存料を使っておらず、「AAFCOの栄養基準をクリア」の文章が書かれているため、ある程度の安全は保障されていると言えます。
また、法で厳しく規制しなくても、アメリカでは「猫には猫に最適のキャットフードを製造する」という考え方が浸透しているため、AAFCOの表示が無くてもグレインフリーだったり、完全無添加だったりすることも少なくありません。
今後、AAFCOのガイドラインが更に厳密になり、アメリカのキャットフード業界でガイドラインの遵守が浸透するようになれば、更に品質の高いキャットフードが日本にも輸入される事が期待されます。
3.イギリス産キャットフード
イギリスは、19世紀半ばに世界で初めてのペットフードを開発した国というだけあり、キャットフードに対する品質や安全性の意識が非常に高い国です。
イギリスだけではなく、ヨーロッパでは「欧州ペットフード工業連合(FEDIAF)」という、ペットフードに関する厳しいガイドラインを策定した機関があり、各国でこのガイドラインに沿った罰則付きの法律を施行しています。
また、イギリスでは、古くからキャットフードに対する意識が非常に高く、「猫には猫に合った最適な食事を」という考え方が市民の生活に浸透しているため、法律ができる前から、グレインフリー、完全無添加のキャットフードが多く販売されていました。
日本で現在人気となっているプレミアムキャットフードも、イギリス原産のものが大変多く、品質、安全性両面で信頼出来る原産国と言えます。
4.ドイツ産キャットフード
ドイツでも、イギリス同様にFEDIAFが定めたガイドラインに則した法律があり、キャットフードに使ってはいけない添加物や保存料だけではなく、原材料となる肉の部位に関する調理法や処理法まで細かく定められています。
イギリスと異なる点は、法律に反すると厳しい罰則があるという部分です。
このため、ドイツのキャットフードメーカーは、品質に非常に厳しく、グレインフリー、無添加はもちろんのこと、流通時の温度管理まで徹底した管理下に置いているものもあるのです。
また、ドイツでは多くのキャットフードメーカーで、「ヒューマングレード」と呼ばれる、人間が食べても問題がない品質のキャットフードを製造しています。
人が食べられる原材料を使って厳しいガイドラインのもとに製造されているキャットフードはとても信頼性が高いですね。
5.まとめ
主要なキャットフード生産国の特徴に基づき、お勧めの原産国を考えてみました。
私は、猫に安心して与えられるキャットフードの原産地は、イギリスかドイツかな?と思います。
ヨーロッパはキャットフードそのものの歴史が古く、「ペットは家族である」という考え方のものに健康管理を第一に考えたフードを開発している国が多いからです。
日本ではまだまだ、キャットフードの安全性や品質に関する考え方が浸透していませんが、飼い主がより良いキャットフードを選ぶ事によって、製造者側が少しずつでも品質を改善してくれたら良いなと思います。