激安キャットフードの危険性
1.激安なのには理由がある
猫を飼う人にとって、キャットフードに払う金額はいつも頭の痛い問題です。
いいフードを与えたくても、食べる量が多いとある程度は金額を妥協してしまうかもしれません。
「3袋まとめて買えばいくら引きます」ホームセンターのペットフード売り場でこんなチラシがでていたら、つい気になって近づいてしまうかもしれません。
けれど激安の場合は、注意が必要です。
安易に食いついてしまう前に、どうしてそんなに安いのか理由について考えてみましょう。
1-1.原料が安いから
激安キャットフードは、原価の安い原料を使って作られています。
激安のキャットフードには、トウモロコシの芯やビートパルプ(砂糖ダイコンの絞りかす)が使われているのです。
トウモロコシの芯をかじって生きている猫はそういません。
猫にとって栄養にならないそれらのものは、単にお腹を膨らませ、満腹感をもたせるために使われています。
さらにミートミール、フィッシュミールといわれているものも同様です。
捨てられるべき部分を、加工してキャットフードに使っています。
なかには4Dミートと呼ばれる病気になった動物の肉や、防腐剤まみれの腐敗寸前のものも混ぜられているのです。
このように、激安キャットフードは本来捨てられるべき粗悪な原料を使用しているために安く販売されているのです。
安価なキャットフードは、数を売ることで利益につながります。
そこで大量生産となるのです。
競争が激しいペットフード業界の中で、他のメーカーより安くすることで多くの人に買ってもらおうとしているようです。
1-2.賞味期限が短いことによる大幅値下げ
激安にしているのはフードの製造元だけでなく、販売しているペットショップやホームセンターの場合があります。
大量に仕入れて売れ残った商品は賞味期限が近くなります。
売れ残りの商品をなんとかして売りさばくために、割引したりまとめ買い特典を付けたりして破格の値段設定にしているのです。
容量が小さいフードなら賞味期限内に食べきれるでしょう。
けれど、大袋や複数まとめて購入した場合、なかなか使い切ることは難しいです。
そうこうしているうちに賞味期限は切れてしまいます。
激安キャットフードは後述の添加物によって、劣化していても見た目では分からない場合があります。
このことに気が付かないと、あなたの猫は古くなって酸化したフードをずっと食べさせられることになります。
賞味期限が先のものと賞味期限が間近のもの、どちらが鮮度の良いものであるかは明白です。
既に質が落ち始めている古い激安フードを買うよりも、製造および出荷して間もない通常価格のフードの方がやはり安心です。
2.激安フードの危険性
原料にこれだけ安いものを使っているのですから、さぞかしまずいのだろうと思うと、意外に猫のくいつきはいいのです。
なぜかというと、おいしく思わせる工夫がしてあるからです。
実は、この工夫にこそ危険性が潜んでいるのです。
2-1.人口香料
動物は、食事の際に骨や爪などの食べない部分はもちろん残します。
これは猫も同様です。
激安キャットフードは普通なら猫が食べないような原料が使われています。
したがって、激安キャットフードは嗜好性が低いはずです。
ところが、激安キャットフードはこの欠点を人口添加物で補っているのです。
化学合成された香料を使ってフードに香りづけさせることによって、猫の食いつきをアップさせています。
その結果、たとえ粗悪な原料が使われていたとしても、猫は美味しそうな匂いに釣られてがつがつと食べてしまうのです。
キャットフードに使われている香料については、規制はまだありません。
どこのメーカーの表示にもただ「香料」と書かれているのがほとんどで、なにを使っているのかはっきりしません。
2-2.保存料
キャットフードに使われているエトキシキンやBHTなどの酸化防止剤や保存料には注意が必要ですが、激安キャットフードの場合は特に気を付けなければなりません。
先ほど述べたように、激安キャットフードは大量に売るために大量生産されます。
しかし、売り切れる前に賞味期限が切れてしまったら破棄するしかありません。
これを防ぐためには賞味期限を長く設定する必要があります。
そこで使用されるのが人口添加物です。
大量に使えば使うほど、劣化しにくく賞味期限の長いフードが作れます。
メーカーや販売店、さらには飼い主にとっては非常に良さそうに見えますが、飼い猫は間違いなくキャットフードを通して保存料や酸化防止剤の影響を受けます。
人口添加物の中には発がん性が指摘されているものもあります。
そんな危険性のあるものが含まれた激安フードを与えられ続けて苦しむことになるのは、愛猫なのです。
メーカーや飼い主の都合で猫が不利益を被ることのないよう、激安フードを購入する際はこういったリスクを考えるようにしましょう。