肝臓病用キャットフード
猫の疾患の中でも特に多いのが肝臓病です。
原因はウィルスだったり細菌だったり、他の病気からの派生だったりと様々ですが、どの肝臓の病気も一度かかってしまうと根気よく治療を続ける事が必要となります。
肝臓病にかかると「療法食」と呼ばれる、肝臓病の回復に向けた専用フードを動物病院から指定されますが、今回は肝臓病用の療養食についてご紹介したいと思います。
1.肝臓病用キャットフードの特徴
1-1.良質のタンパク質が含まれている
猫が肝臓の病気にかかると、吸収した栄養素をうまく取り込むことが出来なくなり痩せてしまいます。
これを改善するためには、肝臓の再生と肝機能の改善を目的とした療法食、つまり良質のタンパク質を多く含んだ療法食を与える事が必要です。
肝臓病用の療法食は、猫が吸収しやすい良質の動物性タンパク質を原材料としており、体重の減少を抑えるはたらきがあります。
ただし、肝臓病が進行した場合は、タンパク質が分解されて発生するアンモニアが肝臓に大きな負担をかけるので、タンパク質の量を制限する場合があります。
1-2.添加物フリー
肝臓は薬物や毒素を分解する器官なので、添加物が多いキャットフードは肝臓に大きな負担がかかります。
また、添加物だけではなく、原材料を育てる時に使われていた農薬や抗生物質が肝臓に影響を与えることもあります。
肝臓病用の療法食は、肝臓への負担を考慮して添加物フリーで作られている場合がほとんどです。
市販されている療法食を選ぶ時も、完全無添加やオーガニック材料を使っているものを選ぶとと良いでしょう。
1-3.ビタミンB1が多く含まれている
ビタミンB1は炭水化物を代謝するための重要な栄養素です。
肝臓病にかかっている猫は、炭水化物を代謝する力が衰えているため、療法食にビタミンB1を多く含ませることで肝臓の負担を軽減しています。
1-4.脂質が控えめ
脂肪の過剰摂取は肝臓への負担が高くなります。
肝臓病用の療法食では、魚や植物性の脂肪を原材料として使っています。
1-5.炭水化物が適量含まれている
一般的に、猫は完全肉食動物のため炭水化物の摂取はほとんど必要ないとされますが、炭水化物をまったく摂取しないとタンパク質や脂質がエネルギー源として使われ、体内でアンモニアが発生する原因となります。
アンモニアは肝臓だけではなく全身に悪影響を及ぼしますので、肝臓病用の療法食では、炭水化物を適量配合しているのが特徴です。
2.まとめ
肝臓病用のキャットフード(療法食)の特徴についてご紹介しました。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど痛みに強く我慢強い臓器なので、猫が痛そうにしている時はかなり症状が進行している可能性が高いです。
普段と少し違うな、と思った時は速やかに動物病院へ行き、獣医さんから適切な療法食についてのアドバイスを受けるようにしましょう。
肝機能は食生活で大きく改善されるので、今回ご紹介したキャットフードの特徴と猫の状態をよく見ながら、じっくりと改善に取り組んで下さいね。