体臭を抑えるキャットフード
猫は大変綺麗好きな動物で、絶えず毛繕いを行っています。
この行動は、獲物に自分の体臭で気付かれることがないようにするための名残です。
また、猫は肉球以外の表皮に汗腺がないため汗をかくことがなく、毛繕いがきちんと出来ている猫であれば基本的に体臭の心配をする必要はないでしょう。
しかし、加齢で身体が硬くなり毛繕いを隅々まで出来なくなった猫や、身体に問題がある猫などは、人間が気づくほどの体臭がある場合があります。
今回は、猫の体臭の原因と、対策のために効果的なキャットフードの選び方についてご紹介したいと思います。
1.猫の体臭の原因
健康な猫であっても、体臭の原因物質は分泌されています。
皮膚にある皮脂腺とアポクリン腺とから分泌される物質が分解され、それが臭いの原因となりますが、ほとんどの場合は毛繕いでその臭いを取り去ることができているのです。
それでは、猫が取り去ることができない体臭についてご紹介します。
1-1.口臭が身体につく
猫は毛繕いをするときに、唾液で毛並みを整えます。
このとき、口内炎や歯周病など、口内のトラブルがあると、口臭が唾液に移うつり、それが毛繕いした毛に移って体臭となってしまうのです。
1-2.皮膚病
全身を被毛に覆われている猫は、なかなか初期の皮膚病に気付きづらいものですが、進行すると皮膚の表面が化膿して悪臭を放つ場合があります。
体臭が特に強い場所があったら、皮膚病を疑って病院へかかってみてください。
1-3.キャットフードの劣化
腐る、とまではいきませんが、長時間お皿に放置しているキャットフードは酸化が進み、それを食べた猫は胃腸から悪臭を発するようになります。
胃腸の臭いは口の中まで到達するので、これが唾液に移り、毛繕いした毛に移って体臭となってしまうのです。
1-4.猫の老化
猫は老化とともに身体が硬くなるため、隅々まで毛繕いが出来なくなっていきます。
すると、皮脂腺とアポクリン腺から分泌される臭いの原因物質を取り去ることが出来なくなってくるため、皮膚上にこの物質が残留し体臭の元となるのです。
飼い主の手で、こまめにブラッシングをしてあげるようにしましょう。
2.体臭を改善するキャットフードの選び方と与え方
2-1.ドライフードで口内ケアをしよう
ドライフードは、食べながら口内の歯垢を除去して、歯周病や口内炎を予防する効果があります。
ウェットフードだとどうしても口の中に食べかすが残ってしまい、その臭いが毛に移ることで体臭になってしまいますが、ドライフードであれば口の中に食べかすが残りづらいため口臭と体臭を同時に予防することができるのです。
2-2.アレルギー性皮膚炎を防ぐキャットフードを選ぼう
猫の皮膚病の多くはアレルギーが原因です。
そしてそのアレルギーの原因「アレルゲン」になる物質は、穀物に含まれていることが多くあります。
キャットフードを与えるときは原材料をよく見て、穀物を使っていないものを選ぶようにするとアレルギー性皮膚炎による体臭を予防することができるようになりますよ。
2-3.新鮮なキャットフードを与えよう
キャットフードの劣化を目や臭いで確認することがは難しいですが、ドライフードの場合は概ねお皿に出して2時間、ウェットフードの場合は30分から1時間ほどで酸化が始まります。
思ったより早く酸化しますね。
酸化したキャットフードを食べ続けることによって体内に臭いの原因物質が溜まり、それが口まで到達することによって体臭の原因となるので、新鮮なキャットフードを与えるようにしましょう。
2-4.消化しやすい動物性タンパク質原料のキャットフードを与えよう
猫は完全肉食動物なので、植物性タンパク質の消化が得意ではありません。
消化できないキャットフードが体内に長く留まっていると、悪臭の原因となります。
効率良く栄養を吸収出来て、体外にスムーズに排出される動物性タンパク質原料のキャットフードを与える事で体臭の予防・軽減になります。
3.まとめ
キャットフードで体臭を予防・改善するポイントについてご紹介しました。
猫は本来体臭がほとんどない生き物なので、ちょっとでも臭いがすると飼い主もとても気になりますよね。
猫の体臭が気になっている方は、今回ご紹介した観点で、キャットフードの選び方を見直してみてはいかがでしょうか?
猫は綺麗好きな動物なので、自分の体臭も気になっているはず。
キャットフードで少しでも体臭を軽減することが出来れば、猫にとっても飼い主にとっても快適な毎日を過ごすことができますね。