キャットフードを選ぶときはカロリーもチェックする
皆さんはキャットフードを選ぶ時、何を基準としていますか?
原材料や添加物の有無など、着眼点はそれぞれありますが、実はキャットフードを選ぶ時にもっとも大切なポイントのひとつに「カロリー」が挙げられます。
猫はライフステージによって必要とされるカロリーが大きく異なるため、飼い主は月齢や身体の状態によって与えるキャットフードのカロリーを調整しなければなりません。
今回は、猫がライフステージごとに必要とするカロリーと、カロリーを重視したキャットフード選びにあたっての注意点をご紹介したいと思います。
1.子猫が1日で必要とするカロリー
実は、猫はすべてのライフステージにおいて、子猫の頃がもっとも多くのカロリーを必要とします。
これは、身体の成長や骨の形成、消化器官の発達に非常に多くの熱量を必要とするからで、体重が10倍以上重い成猫よりも多くのカロリーが必要なのです。
子猫が1日で必要とするカロリーは
猫の体重(kg) × 200kcal
で計算します。
例えば、生後15日の猫の平均体重は0.2kgなので、
0.2 × 200kcal = 40kcal
が必要となるのです。
これは、一般的なドライフードの12グラム分にあたります。
もちろん、生後2ヶ月から3ヶ月くらいまでの子猫は、歯が生えそろっていないのでドライフードを与える事はできませんので、猫用のミルクなどに置き換えて計算してくださいね。
2.成猫が1日で必要とするカロリー
一般的な猫は、生後12ヶ月程度で成長がとまり、「成猫」と呼ばれるライフステージに入ります。
子猫の頃と比べると必要なカロリーがグッと減り、多くの猫は去勢・避妊を済ませているでしょうから、肥満に気をつけてカロリーを計算しなければなりません。
成猫が1日で必要とするカロリーは
猫の体重(kg) × 80kcal
で計算することができます。
子猫のころと比べると半分以下のカロリーで良いことが分かりますね。
さらに、運動量が少ない猫の場合は、
猫の体重(kg) × 70kcal
で、標準的な猫より少しカロリーを抑えた計算でキャットフードを与えるようにしましょう。
この時期に適切なカロリーのキャットフードを与える事は、糖尿病や肥満による心臓疾患を予防することに繋がります。
3.シニア猫が1日で必要とするカロリー
7歳以降の猫は「シニア猫」と呼ばれ、運動量も成猫期に比べると少なくなってくるため、必要なカロリーも低くなります。
しかし、シニア猫は消化器官の働きが弱くなっており、一度に吸収出来る栄養が少なくなるため、一概にカロリー計算だけでキャットフードの量を決めるのは難しいという側面もあります。
シニア猫が1日で必要とするカロリーは
猫の体重(kg) × 60kcal
ですが、上記の消化器官のはたらきを考えると、これにプラスして数グラム多めのキャットフードを与えるのが良いでしょう。
シニア猫は運動量と消化器機能の低下により、成猫よりも肥満による疾患のリスクが高くなります。
愛猫の体調をよく見ながら、適切な量のキャットフードを与えて健康維持に努めるようにしましょう。
4.カロリーを重視したキャットフード選びの注意点
4-1.炭水化物に注意
低カロリーを気にしてキャットフードを選ぶと、穀物類でかさ増しした商品を手にしてしまうことがありますが、これは注意が必要です。
猫は、本来完全肉食動物のため、穀物類や野菜類などを消化するのが非常に苦手で、穀物類を含んだキャットフードを食べる事によって、下痢や嘔吐、アレルギー症状を起こしてしまうことがあるのです。
キャットフード選びの基本は、カロリーに加えて良質な動物性タンパク質をたっぷりと含んでいること。
炭水化物を多く含んだキャットフードは、上記の症状に加えて糖尿病の原因にもなるため注意が必要です。
4-2.ウェットフードを補食として活用しよう
低カロリーを心がけてキャットフードを与えていると、どうしても一度に与える量が少なくなってしまい、猫に不満が残ります。
おかわりをおねだりされると、つい「あと少しだけ」とドライフードを与えてしまいがちですが、ここでウェットフードを補食(おやつ)として与えてみましょう。
ウェットフードの多くは総合栄養食ではないため、主食として与えるのは好ましくありませんが、主原料が魚類・肉類であることがほとんどであるため、完全肉食動物の猫の補食としてはぴったりです。
食事量が少なくなって不満を持っている愛猫には、是非ウェットフードでその不満を解消してあげてくださいね。
5.まとめ
猫のライフステージごとに必要とされるカロリーと、カロリーを重視したキャットフード選びでの注意点についてご紹介しました。
猫の一生の中で、子猫がもっともカロリーを必要とするというのは驚きましたね。
今後キャットフードを選ぶ時は、原材料、添加物の他に、カロリーも気にしてみて下さい。
今回の記事が、皆さまが飼っている愛猫の健康維持に役立てば幸いです。